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トップ > マツダ ユーノス500 > マツダ ユーノス500 - 人気ブログ(Blog)検索結果詳細 (2008年11月30日 5時)

楠瀬 誠志郎_aisA


今日の東京地方はうんざりするような蒸し暑さで、外回りの仕事をしている私には地獄のような1日でした。夏だから暑い方のは当たり前ですし、夏という季節が好きなんで気温が高いのは許せるんですが、蒸し暑いのだけは勘弁なりませんね(笑)
夏真っ盛りと言わんばかりの晴天ならば、村田 和人のアルバムなんかを聴いて夏を満喫したくなるのですが、こういう不快指数ばかりが高い蒸し暑さでは涼しげな歌声を聴きたくなりますね。
そんな訳で今回チョイスしたのは、楠瀬 誠志郎が1988年にリリースした3rdアルバム『aisA (アイシア)』です。彼の歌声を聴いているだけで体感温度が違うような感じもするのですが、これは私の気のせいでしょうか・・・(汗)

『aisA』は、井上 鑑と楠瀬 誠志郎の共同プロデュース作品で、アレンジはもちろん全曲井上 鑑です。10曲中9曲の作曲は楠瀬 誠志郎、1曲が井上 鑑が手掛けています。参加ミュージシャンは、山木 秀夫(ds)、美久月 千晴(b)、高水 健司(b)、土方 隆行(g)、今 剛(g)、穂刈 久明(g)、井上 鑑(key)、ジェイク・H・コンセプション(sax)、 藤本 房子(cho)、国分 友里恵(cho)という渋いメンバーが集められています。

『楠瀬 誠志郎 / aisA』
01. 遠い波
02. Crying In The Sun
03. キッチンテーブル
04. 約束のない瞳
05. リスク ~risk~
06. レインコートシャッフル
07. ASIAN VIEW
08. Byzantium ~ビザンチウム~
09. 僕のうかぶ舗道
10. La Maison

井上 鑑の作詞・作曲・編曲による01。楠瀬 誠志郎の多重コーラスをメインにした起伏のあまりないメロディーですが、涼しげなコーラスが心地良いナンバーです。

3枚目のシングル曲だった02。楠瀬 誠志郎の魅力が詰まっている曲と言える名曲です。海の見える広い公園の芝生に寝転んで、真っ青な空と真っ白な夏雲を見ながら聴きたくなる、そんな曲ですね。この曲を聴いているだけで、今日のような不快な気分を忘れさせてくれます(笑)

変則的なリズムが面白い03。井上 鑑らしい凝ったアレンジですが、サビのキャッチーな部分がより際立たせるような工夫がなされているような気がします。コーラス・ワークが見事です。

腕利きのミュージシャンが集まっていることを実感させる演奏が見事な04。楠瀬 誠志郎の曲の中ではハードな路線の曲でしょうね。山木 秀夫のドラミングの素晴らしさに尽きる曲です。

都会的なアレンジとメロディーがよくマッチしている05。割とハードな演奏であっても、楠瀬 誠志郎の歌声が曲調を優しく変えてしまっているような不思議な魅力に溢れる曲です。メロディーもキャッチーですし、メリハリがあって個人的にはお気に入りの1曲です。

JAZZYなアレンジが軽妙な06。メロディー自体に然程魅力を感じませんが、色んなスタイルのレンジやキーボード・プレイが出来る井上 鑑の才能に驚かされます。ここでは井上 鑑のピアノのプレイが冴えていて、聴き所のひとつだと思います。

スケールの大きさを感じる07。こういう広大な風景や情景を感じさせる曲には、楠瀬 誠志郎の歌声がよく似合いますね。部屋の中でひっそり聴いているのが勿体無い気がしてくる、そんな曲です。

08も凝ったアレンジとエフェクトを駆使した曲で、異国情緒が漂っています。言葉で説明するのが難しいタイプの曲なんですが、思わず聴き入ってしまうような魅力がある曲です。サウンドも歌声にもスケールの大きさを感じます。

変則的なリズムが印象的な09。このメロディーにこんなアレンジを施すのは井上 鑑以外にはいないでしょうね(笑) 収まりの悪い変則的なリズムと素直なメロディーとのギャップが面白く、この曲の魅力となっている部分だろうと思います。

シンプルな演奏による3拍子のバラード曲10。井上 鑑のピアノの伴奏のみで歌っており、コーラスも入れずにしっとり歌い上げています。ヴォーカリストとしての力量を感じさせてくれるナンバーですね。

曲の良さ、聴き易さだけで言えば以前紹介した1stアルバム『宝島』や2ndアルバム『冒険者たち』の方が上でしょうし、CITY POPが好きな人には受けも良いと思いますが、私は結構このアルバム好きなんです。とにかくヴォーカルが良いですね。本当に楠瀬 誠志郎の歌声には空とか風を感じますし、スケールの大きい曲程彼の歌声が心地良く響いてきます。類稀なる美声の持ち主ですよね。
この記事を書きながらBGMとして流していましたが、今日の不快な天気が嘘のように心地良い一時が過ごせました(笑)
BOOK OFFでは250円コーナーで売られていることが多く、少し淋しい気もします。しかし、これから楠瀬 誠志郎を聴いてみたいと思う人には入手しやすい金額でしょうから、興味があればぜひ聴いてみて下さい。歌声を聴くだけでも涼しい気分になれますよ。

作者:kaz-shin

更新日:2008年7月14日 23時4分

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HOOKED ON CLASSICS


1981年、オランダの声帯模写集団のスターズ・オン・45が、ビートルズの曲をディスコ・ビートにのせてメドレー形式にした「ショッキング・ビートルズ」が大ヒットしました。そしてそこからカバー・メドレー物のブームが始まり、様々なメドレー物がリリースされました。今回紹介する『HOOKED ON CLASSICS』は、そんなカバー・メドレー集を代表するアルバムで、全英アルバム・チャートNo.1を記録しました。普段、クラシックには馴染みがありませんし、あまり聴く機会も無くクラッシックとは縁遠い生活を送っておりました。しかし、先日BOOK OFFを探索中にたまたまこのアルバムを見つけまして、非常に安い値段で売られていたので興味本位で購入してみました(笑)

このアルバムを聴いてみて驚いたのは、クラシックが普段の生活に入り込んでいて、自分の想像をはるかに超えて知っている曲が多かったことですね。勿論、有名曲で知っている曲はありましたが、実際に聴いてみるとこれもあれも知っている、聴いたことがあるという曲が多かったです。クラシックの場合、素人には曲名だけでは判らないものが多いのも事実ですよね。
ルイス・クラークの指揮するロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の演奏は勿論素晴らしいのですが、何と言ってもアレンジが素晴らしいの一言です。数々の名曲が何の違和感も無く繋げており、何とも聴きやすくクラシックに疎い私でも楽しく聴けてしまうのが魅力だと思います。
演奏されているのは全部で106曲というボリュームですが、あっと言う間に聴けてしまうアルバムです。

『HOOKED ON CLASSICS』
01. HOOKED ON CLASSICS (Parts1 & 2)
02. HOOKED ON ROMANCE
03. HOOKED ON CLASSICS (Part 3)
04. HOOKED ON BACH
05. HOOKED ON TCHAIKOVSKY
06. HOOKED ON A SONG
07. HOOKED ON MOZART
08. HOOKED ON MENDELSSOHN
09. HOOKED ON A CAN CAN

誰もが1度は耳にしたこことのあるような有名なクラシックの代表曲18曲のメドレー01。"HOOKED ON"シリーズは、まさにここから始まったと言える名メドレーです。アレンジの素晴らしさに尽きますね。このメドレーを聴いているとクラシックも良いなと思えます。

シックでJAZZYなアレンジがお洒落なメドレー02。10曲がメドレーになっています。「G線上のアリア」(バッハ)や「アヴェ・マリア」(シューベルト)といった名曲の数々が、JAZZYなアレンジにピッタリとマッチしています。

01に比べると知っている曲は減りましたが、それでも馴染みの曲が沢山入っているメドレー03。20曲がメドレーになっています。題名だけではピンときませんが、実際に聴くと知っている曲が多いです。

バッハの曲15曲をメドレー形式にした04。一人の作曲家にスポットを当てたメドレーですが、こういう風に曲が並ぶと作曲家の個性というのが見えてきます。非常に面白いですよね。このバッハのメドレーはどれも繊細で美しい旋律をもった曲ばかりが集められています。

チャイコフスキーの曲12曲のメドレー05。チャイコフスキーはダイナミックな楽曲が多いような気がしますね。"HOOKED ON"シリーズの特徴のひとつであるディスコ・ビートにのせても、違和感のないような迫力のある曲が魅力です。

作曲家の名前に関しては知らない人が多いながらも、曲自体は知っている曲が多いのがメドレー06。「カルメン」や「フニクリ・フニクラ」を始めとしたTV番組でもよく使われる曲ばかり10曲が集められています。この曲がこんなタイトルだったんだと勉強になったメドレーでした(笑)

天才・モーツァルトの曲14曲のメドレー07。やはりモーツァルトの曲には一種独特な雰囲気があって、そのバラエティに富んだ曲を聴いてもやはり天才作曲家だったというのが頷けます。クラシックに疎い私が演奏されている曲のほとんどを知っていましたので、多くの人に愛され続けている作曲家なんでしょうね。

メンデルスゾーンの曲3曲をメドレーにした08。ヴァイオリン協奏曲が中心ですが、アレンジがスピーディーなので迫力があります。

運動会でお馴染みのオッフェンバック作曲の「天国と地獄」で始まるメドレー09。ディスコ・ビートにのせたアレンジが軽妙で楽しいメドレーになっています。10曲のメドレーです。

クラシック音楽をこよなく愛する人達にとっては、この手のアルバムは邪道なのかも知れませんね。しかし、普段私のようにクラシックに馴染みが無い人にとっては、クラシックが普段の生活の中に溶け込んでいることに驚くでしょうし、クラシックは決して敷居が高い音楽では無いという気持ちになれるアルバムだと思います。
この『HOOKED ON CLASSICS』は、第一弾が大ヒットしたので第二弾、三弾が制作され、バロック音楽を集めたものやSWING JAZZを集めたもの等、色々リリースされたようです。また別のアルバムを中古で見つけたら、ぜひ聴いてみたいなと思います。
最近このアルバムがヘヴィー・ローテーションになっていまして、今度はドライブのBGMとして聴いてみようかとも思っています。

作者:kaz-shin

更新日:2008年7月12日 23時58分

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藤田 朋子_THE WOMAN IN ME


今回紹介するのは、女優として活躍している藤田 朋子が1989年にリリースした1stアルバム『THE WOMAN IN ME』です。
実は彼女のアルバムを聴くのはこれが初めてです。以前、このブログによくコメントを頂戴するWESINGさんに、このアルバムのプロデューサーが大好きなYUTAKA(横倉 裕)だと教えて頂きました。それを知ってから何軒かBOOK OFFを探しまして、やっと見つけることが出来ました。
WESINGさん、良いアルバムを紹介して下さり、ありがとうございました。

このアルバムを買ってまず驚いたのは、全曲英語の曲だと言う事。女優がアルバムをリリースするというのは別に珍しいことではありませんが、全曲英語で歌っているというのは珍しいですね。ライナーに書かれてあるプロフィールによると、昭和40年生まれで玉川大学文学部外国語学科を卒業とあります。英語は得意だったようですね。87年にミュージカル「レ・ミゼラブル」でデビュー、88年に一躍彼女を有名にしたNHK朝の連続テレビ小説「ノンちゃんの夢」のヒロインに抜擢されました。こんな経歴からも英語や歌に関しては全くの素人と言う訳ではなかったようです。

さて肝心な音楽の方ですが、これが思いの他良いんですよね。もちろんYUTAKAがプロデュースとアレンジを手掛けているので悪い訳がないと思っていましたが・・・。洒落たアレンジとキャッチーなメロディーの曲、そして堂々とした藤田 朋子の歌いっぷりに単なるガールズ・ポップという雰囲気を超えてAORっぽさを感じます。参加しているミュージシャンは、横倉 裕(key)、Jerry Watts(b)、Terence Eliot(g)、Carl Burnett(g)、Oscar Castro Neves(ag)、Dave Karasony(ds)、Bill Meyers(key)、Pauline Wilson(cho)、14 karat Soul(cho)等という顔触れです。

『藤田 朋子 / THE WOMAN IN ME』
01. The Woman In Me
02. Never Give Your Heart
03. One Fine Day
04. Wait For Me
05. For All The Right Reasons
06. Living Dangerously
07. On My Own
08. Summer Without You
09. Fall Out Of Love
10. I Will

軽いタッチの01は、70年代のアメリカン・ポップスのような味わいのある曲です。キャッチーなメロディーと優しいYUTAKAのサウンドが絶妙にマッチしています。歌も決して上手いとは思いませんが、堂々とした歌いっぷりが潔くって良いですね。

作詞が奈良橋 陽子で1989年に書かれた曲なので、おそらくオリジナル曲なのは間違いないであろう02。この曲も軽妙で聴いていて心地良いポップ・ナンバーです。彼女の歌声によく似合っている曲で、なかなか良い曲です。

キャロル・キングが、夫であり、音楽的パートナーでもあるゲイリー・ゴフィンとのコンビで、数々のヒット曲を生み出す売れっ子作曲家として活躍していた時代に、シフォンズに提供した曲のカヴァー03。明るい曲調のポップ・ナンバーで、確かに"Fine Day"という感じがする曲。YUTAKAの選曲なのかは不明ですが、藤田 朋子のキャラクターにピッタリな曲です。

ドン・グルーシン作曲による渋いミディアム・ナンバー04。それまでと違ってAOR色の強いナンバーです。パティ・オースティンも取り上げていましたね。FUSION色の強いアレンジが秀逸です。

しっとりと聴かせるバラード・ナンバー05。YUTAKAのアレンジの素晴らしいところは、あくまでも藤田 朋子の歌声を活かすことを重要視しているところでしょうね。シンプルながらも美しいアレンジは見事です。

ちょっと毛色が変わり、FUNKYでハードなサウンドが印象的な06。これが格好良いんですよね。シンセ・ベースのサウンドが時代を感じさせますが、曲に似合っていて80'sの香りが強い1曲です。かなり渋いヴォーカルを聴かせてくれますよ。

スケールの大きなバラード・ナンバー07。バラード曲の時にもうちょっと歌に表現力が出ると良いだろうなと思いますが、1stアルバムでここまで歌えれば大したもんだと思います。

YUTAKAの代表曲として人気の高い名曲08。いかにもYUTAKAらしい美しいメロディーとボッサ調のアレンジが実に心地良い曲で、アルバムの中でも一際輝いている1曲です。ここでのヴォーカルは素晴らしいですね。YUTAKAのディレクションのおかげでしょうね。聴いて損はない曲です。

シンセ・サウンドを駆使したディスコ風ナンバー09。今聴くと何とも懐かしさが詰まっているような曲ですね。この曲だけ聴いたら、おそらく日本人が歌っているとは気付かないでしょうね。ましてや女優が歌っているとは・・・(笑)

ポール・マッカートニーが大好きな藤田 朋子の選曲であろう10(笑)。ビートルズのカヴァーで、私自身も大好きな1曲です。実はこの曲だけはYUTAKAではなく、14 Karat Soulのメンバーのプロデュースとアレンジによる曲で、もちろんドゥーワップ・コーラスによるアカペラ曲です。オリジナルもポールの声によるベースでしたから、アカペラで聴いても違和感が無いですね。名曲です。

何故YUTAKAが藤田 朋子のアルバムのプロデュースを引き受けたのかは不明ですが、そんな細かいことはどうでもよくなるくらいに良いアルバムに仕上がっています。リリースされたのは12月だったようですが、明らかに今の季節にぴったりな感じですし、ドライブのBGMにも最高だと思います。これは興味があったらぜひ聴いてみて下さい。特に洋楽好きな人にも聴いて欲しい1枚ですね。私も今後彼女の他のアルバムを中古店で見かけたら、ぜひ聴いてみたいと思います。ちなみにこのアルバム、BOOK OFFで250円で購入しました。こんなに良いアルバムが250円なんですから・・・・。BOOK OFF万歳!(笑)

作者:kaz-shin

更新日:2008年7月9日 22時33分

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山下 達郎_僕の中の少年


ここ2~3日、慌しい日々を送っておりまして記事をアップすることだけでなく、コメントの返信すら出来ずにいました。すみませんでした。
暫くはこういう日が続くかも知れませんが、よろしくお願い致します。

さて今回紹介するのは、山下 達郎が1988年にリリースした通算9作目となるオリジナル・アルバムで、初めて日本語のタイトルがついたアルバム『僕の中の少年』です。前作『POCKET MUSIC』で初めてデジタル・レコーディング、コンピューターやシーケンサを使ったデジタル・サウンドを取り入れましたが、凝り性の達郎ですから本作では前作以上にサウンド的には纏まっているなという感じです。しかし、初めてこのアルバムを聴いた時は正直戸惑いも感じました。達郎が作るんですから、サウンド的に何の不満や不安があった訳ではありません。ただ、前作でも感じていたことなんですが、FUNKYな曲が無くなっていることでした。明らかに達郎は変わろうとしている、あるいは自分の音楽と向き合っているなという印象を受けました。
ですから、最初に聴いた時には"地味"という印象が拭えず、好きになれなかったアルバムだったのですが、年齢を重ねるに従い聴く回数も増え、今ではかなり好きなアルバムの1枚になっています。

『山下 達郎 / 僕の中の少年』
01. 新・東京ラプソディー
02. ゲット・バック・イン・ラブ
03. ザ・ガール・イン・ホワイト
04. 寒い夏
05. 踊ろよ、フィッシュ
06. ルミネッセンス
07. マーマレイド・グッドバイ
08. 蒼氓
09. 僕の中の少年

古賀 政男が昭和11年(1936年)に書いた曲で、藤山 一郎が歌って大ヒットした戦前の曲「東京ラプソディー」にインスパイアされて作られたのであろう01。曲中に「東京ラプソディー」の一節も登場しますね。コンピューターを積極的に導入しているものの、リズムが打ち込みというのは数曲で、青山&伊藤のリズム隊が活躍しています。やはり生のリズムの重要性を知っている達郎の拘りなのでしょうか。

初めてバラード曲でヒットしたとも言える02。ドラマ「海岸物語」の主題歌だったこともヒットに繋がったのでしょう。周りから"夏だ!海だ!タツローだ!"を期待されることに苛立ち、バラードでシングルを出したいとダダをこねて、リリースに至ったという曲らしいですね(笑)

1988年に黒人アカペラ・グループ"14 KARAT SOUL"の日本のデビュー・シングルとして、達郎がプロデュース、楽曲提供した曲のセルフ・カヴァー03。サントリー・ウィスキー"ホワイト"のCMソングとして、頻繁にTVで流れていましたので覚えている人も多いでしょう。淵野 繁雄のサックス以外は、達郎が打ち込み、その他の楽器を一人でこなしている曲。

ゆったりとした雰囲気と気だるい感じが逆に心地良い04。全ての楽器を達郎がこなしています。ここでは服部 克久のアレンジによるアレンジの美しさと注意深く聴かないと気付きませんが、村田 和人のコーラスが好きです。

1987年のシングル曲05。ANAの沖縄キャンペーン曲でした。嫌気が差しながらもスタッフにハッパをかけられ、作った曲だとか・・・。ここで収録されているのはアルバム・バージョンで、シングル・バージョンは1995年のベスト盤『TREASURES』で初めてCD化されました。

達郎らしいデジタル・サウンドと生のリズムを上手く融合させた06。最初は"?"な曲だったんですが、聴く度に好きになっていった1曲です。起伏のあまりないメロディーというのは、インパクトに欠ける分、聴き込むほどに魅力的に思えてくる曲が多いような気がします。

爽快なナンバー07。ドライブのBGMとしてもぴったりな1曲だと思います。サックス・ソロはこのアルバムで大活躍している淵野 繁雄です。土岐 英史も達郎のサウンドによく似合っていますが、淵野 繁雄のサックスも相性が良いですね。

前作『POCKET MUSIC』では「The War Song」で衝撃が走りましたが、本作ではこの08が「The War Song」同様衝撃が走った1曲でした。ある意味内省的で、メッセージ性の強い曲ですが、決してそれが嫌味になっておらずスンナリと耳に入ってきます。メロディーの良さはもちろんですが、達郎の説得力のある歌が素晴らしいですね。コーラスで桑田 佳祐と原 由子夫妻、竹内 まりやが参加しています。この曲も信販会社のCMに起用されていました。

ホンダ"インテグラ"のCM曲だったアルバム・タイトル曲09。サビのキャッチーなメロディーは馴染み易く、CM向きと言える曲です。曲の終盤の何とも言えぬ雰囲気がアルバムを聴き終えた後、充実感に変わっていくように感じるのは私だけでしょうか・・・(笑)

このアルバムをリリースした頃の達郎は30歳代半ば。これからシンガー・ソング・ライターとして、どんな音楽を書き歌っていくのか。あるいは主流になりつつあったデジタル・レコーディングやデジタル・サウンドとどう関わっていくのかという葛藤、暗中模索、孤軍奮闘の中で作りあげられたアルバムである本作は、他には類を見ない程達郎の苦悩を感じたアルバムでもありましたが、それだけに出来上がったアルバムは傑作と呼ぶに相応しいモノだと思います。
BOOK OFF等の中古店では、このアルバムが安値で売られているのをよく見かけます。昔からの達郎ファンとしては淋しいのですが、達郎の音楽に触れたことの無い人にとっては買い易い値段とも言える訳で・・・。
この記事を読んで興味を持った方がいらっしゃたら、ぜひ聴いてみて下さい。

作者:kaz-shin

更新日:2008年7月6日 18時59分

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Toshiki Kadomatsu vol.35_SUMMER TIME ROMANCE


梅雨明けが待ち遠しい今日この頃ですが、梅雨の合間の晴の日は夏を感じますね。
さて、今回紹介するのは久しぶりに角松 敏生ネタです。と言ってもオリジナル・アルバムではなく企画モノとして1984年にカッセットのみで発売され、後にレコードになりCD化されたアルバム『SUMMER TIME ROMANCE ~ FROM KIKI』です。
以前、このブログでDJの入った企画モノのアルバムをシリーズで紹介していたことがあり、そこで1度取り上げています(過去記事はコチラ)。
80年代に入り、カーステレオ、小型ラジカセ、カセット・ウォークマンなどが普及して、それまで室内で楽しんでいた音楽が屋外でも楽しめるようになりました。そして屋外で音楽を楽しめるようになったのはカセット・テープのおかげでしょうね。
こういうDJ入りの企画アルバムというのも、まさにカセットにぴったりな企画だったと思います。なんせ千葉の九十九里の海岸に居ながらにして、ハワイのビーチにいる気分に浸れるのですから・・・(笑)

DJ入りのアルバムで、まず思い出すのがまさに元祖とも言えるであろう山下 達郎の『COME ALONG』(1980年)ですね。最初はプロモーション用に制作されたものが、大きな反響を呼んでカセットのみで発売されたというヒット作品でした。小林 克也のDJ入りで当時としては本当にお洒落でした。
『COME ALONE』以降、数々のアーティストがDJ入りの企画アルバムをリリースしました。興味があればぜひ過去記事も読んでみて下さい。右の欄のカテゴリの中の"企画モノ"をクリックして、過去に遡ってもらうと見つかると思います。

『SUMMER TIME ROMANCE ~ FROM KIKI』は、CITY POP色全開だった頃の角松のアルバム、『WEEKEND FLY TO THE SUN』(1982年)、『ON THE CITY SHORE』(1983年)、『AFTER 5 CLASH』(1984年)という3枚のアルバムを中心に、12インチ・シングルを含めた4作品の中から選ばれた13曲が収録されています。DJは当時"KIKI"dで、現在では日本でも番組を持っているカマサミ・コング。
それにしても誰が何と言おうと、やはりこの頃の角松の音楽は良いですね~。本当に心が踊ると言うのか、元気をもらえると同時にあの頃の夏を思い出させてくれます。

『角松 敏生 / SUMMER TIME ROMANCE ~ FROM KIKI』
01. OFF SHORE
02. SUMMER EMOTIONS
03. OFFICE LADY
04. RYOKO!!
05. WIDOW ON THE SHORE (BEACH'S WIDOW)
06. IT'S HARD TO SAY GOOD-BYE (さよならは愛の言葉)
07. PRELUDE
08. FRIDAY TO SUNDAY
09. STEP INTO THE LIGHT
10. DO YOU WANNA DANCE
11. SPACE SCRAPER
12. TAKE YOU TO THE SKY HIGH
13. LET ME SAY・・・

波の音のSEと"KIKI"のジングルが流れ、聴こえてくるイントロは『ON THE CITY SHORE』のTOPを飾った01。まさに夏・海にぴったりな1曲ですね。この曲以外にこの企画アルバムの1曲目に相応しい曲は無いと思います。それにしても歌声が若いし歌も未熟。それでも勢いがあって私は好きです。

続く02は、『ON THE CITY SHORE』から。オリジナルでも2曲目に収録されていました。初めてのセルフ・プロデュース、セルフ・アレンジ(ホーン、ストリングス・アレンジは佐藤 準)に取り組んだアルバムでしたが、なかなか良いアレンジですね。ともかく捻りの無いキャッチーなメロディーが当時の角松の最も魅力的だったところですね。

私の大好きなアルバム『WEEKEND FLY TO THE SUN』のTOPを飾った03。この曲好きなんです。シャッフル・ビートの心地良さとJohn Robinson(ds)とAblaham Laboriel(b)のリズム隊とCarlos Riosの軽快なギターの絶妙な絡みが良いですね。

インタールード04に続く05は、『ON THE CITY SHORE』から。私が大学生の頃はサーフィンが流行してまして、海へ行くと砂浜にあちこちに退屈そうな"BEACH'S WIDOW"達が居ましたね(笑)

1983年リリースの初の12インチ・シングル「DO YOU WANNA DANCE」のカップリング曲だった06。国分 友里恵とのデュエット・ナンバーですが、本当に名曲だと思います。洋楽のエッセンスがたっぷり詰まった当時の角松の代表的なバラード曲でしょう。

心地良いインスト・ナンバー07に続く08は、『WEEKEND FLY TO THE SUN』から。オリジナルではこの曲の後に07のインストが続いていました。やっと迎えた週末のウキウキした感じが上手く表現されている曲ではないでしょうか。Neithan Eastの渋いベースが聴き所です。

『AFTER 5 CLASH』に収録されていたFUNKYなインスト・ナンバー09。佐藤 準のシンセ・ベースも良いですが、角松のギター・カッティングもなかなかのものです。

12インチ・シングル「DO YOU WANNA DANCE」のタイトル・ナンバー10。タイトル通りダンサブルなナンバーです。80年代半ば頃の角松のライブは本当に楽しかった!会場がまさにディスコ状態で皆で踊りまくってましたね。汗びっしょりになりながらも角松の音楽を体中で楽しんでいた時代でした。

『WEEKEND FLY TO THE SUN』からの11。なかなかスリリングな1曲です。Al Mackeyの軽快なギター・カッティング、Louis Johnsonならではのチョッパー・ベース、スピード感溢れるCalros Riosのギター・ソロが最高です。

ライブでは紙飛行機が乱れ飛ぶ定番曲12。ここに収録されているのは『ON THE CITY SHORE』に収録されているアルバム・バージョン。

ラストのバラード・ナンバー13は、『ON THE CITY SHORE』からの1曲。

こういうDJ入りのアルバムをCDで聴くというのは、味気無いような気がするのは私だけでしょうか・・・(笑)
やはりこれはカセットで聴くのが良いように思います。カーステレオやラジオでボリュームを上げると聞こえるヒスノイズというのも、ひとつの味になってラジオを聴いているという気分に浸れるような気がするんですよね。
角松のDJ入りの企画カセットは実はこれは正式には2作目。レコード化もCD化もされていない企画カセットが存在しました。それが『Surf Break from Sea Breeze』。1stアルバム『SEA BREEZE』(1981年)にカマサミ・コングのDJを入れたものです。出来栄えとしてはこちらの方がカマサミ・コングのDJが溌剌としていて好きなんです。しかし、今となっては聴くのは困難でしょう。デビュー当時から角松を聴いている私に対するご褒美として大事にしています。こちらは今でも簡単に入手出来ますので、夏向きの音楽を探している人にはお薦めです。

作者:kaz-shin

更新日:2008年7月3日 0時1分

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DANIEL HO_OCEAN BREEZE


今回紹介するのは、最近私が寝る時によく聴いているアルバムで、私にとっては睡眠誘発剤のような作品です。とは言っても、生まれて此の方、不眠に悩んだことがありませんが・・・(笑)
ハワイのオワフ島出身で、90年代にはスムーズジャズのバンド"キラウエア"のリーダとしてまたキーボード奏者、作曲家、編曲家として活躍、バンド解散後はソロになりハワイアン・スラック・キー・ギターやウクレレ・プレイヤーとして数多くの作品をリリースしているダニエル・ホーが、2001年にリリースした『OCEAN BREEZE』です。

ダニエル・ホーは、高校3年の時にミシガン州で開催された国際ピアノコンクールで準優勝を受賞する程の腕前を持っており、他にもギター、ベース、ドラムもこなすマルチ・プレイヤーらしいです。そんなダニエル・ホーですが、スラック・キー・ギターを本格的に始めたのが"キラウエア"解散後のソロになってからというのですから驚きです。
この『OCEAN BREEZE』は、CDの帯にも書かれている言葉を借りると「コンテンポラリー・ジャズとハワイアン・スラック・キー・ギターとの華麗なる融合」という音楽なんですが、平たく言えば最高に気持ち良いインスト・ミュージックです。毎年寝苦しい夜に大活躍してくれる1枚なのです。

『DANIEL HO / OCEAN BREEZE』
01. Lia
02. Sacred Journey
03. Kumu Mele (Simple As A Sunrise)
04. A World Away
05. Slack Tides
06. Haiku
07. Plantation Waltz
08. So Far, So Good
09. Napili Meditation
10. Another Day, Another Life
11. Lia (Solo Guitar Reprise)
12. Beyond Blue

シンプルな打ち込みのリズム、アコースティック・ギターとサックスだけで奏でられる美しいナンバー01。初めて聴いた時、この曲のあまりの心地良さにある種の感動を覚えました。夕陽にオレンジ色に輝く海を見ながら聴きたい、そんな曲です。

"HIROSHIMA"のメンバーであるJune Kuramotoの琴をフィーチャーした02。独特な雰囲気を持った曲で、どちらかと言うと南国の民謡を聴いているような感覚に陥ります。ギターと琴が見事に融合したナンバーですね。

ダニエル・ホーが、ハワイのNo.1女性グループ"ナレオ"に提供した曲のセルフ・カヴァー03。美しいメロディーを持ったバラード曲に仕上がっています。Bridgette Bryantのハミング、優しい音色のギター、包み込むようなサックス、どれもがまるで風のように感じられます。

軽快なギター・プレイがアール・クルーを彷彿させる04。ギター、フルート、パーカッションだけというシンプルな構成ですが、馴染み易いメロディーをシンプルな演奏が際立たせているかのようで、決して物足りなさを感じさせません。

直訳すると「よどんだ潮の流れ」という感じになる05は、ダニエル・ホーのギター・プレイが堪能出来る1曲です。曲調は決してよどんだ感じはしませんね。リフを上手く使ったギターが印象的です。

まるでギターを琴のような音色で奏でる06。日本をイメージした曲だというのは一目瞭然(一聴瞭然)ですね。ギター1本で淑やかに演奏しています。

浮遊感を感じるワルツが心地良い07。ダニエル・ホーの奏でるギターの音色は、とにかく柔らかくて優しいもので、聴いていると本当に心が和んでくるようです。

ダニエル・ホーのピアニストとしての腕前を発揮している08。アルバム中で最もFUSION色が強いと言えるかも知れません。ピアノにギターにとダニエルが大活躍している曲なんですが、ピアノもギターもこれだけ演奏出来るというのは、これはもう才能以外の何物でも無いような気がします(笑)

波音のSEとパーカッションを上手く使った09。音楽と言うより、風が強く少し波の荒い海をギターで表現しているといったイメージですね。風景画ならぬ風景サウンドと呼んでも良いようなナンバーです。

どこか物悲しい雰囲気の10。私のイメージは、夏真っ盛りのある日、いつもなら海水浴客で賑わうビーチが、降り続く雨の為に人気が無くなってしまっているといった感じでしょうか。

01のソロ・ギター・ヴァージョン11。この曲は本当に良い曲で、私が1番好きな曲です。ダニエル・ホーの魅力が詰まった曲だと思います。

月明かりの為に漆黒ではなく、濃紺の夜を連想させる12。短い曲なんですが、まるで「おやすみ」を言われているかのような曲です。

折角の休日だと言うのに朝から雨が降っていて気分が滅入った時、あるいは晴れた休日にドライブに出かけたものの帰り道に渋滞に巻き込まれ気分がイラついた時、そんな時にこのアルバムを聴けばきっと気分を和ませてくれること請け合いです。ただし、あまりの心地良さに眠くなってしまうので、くれぐれも居眠り運転には注意して下さい(笑)
とにかく老若男女が楽しめるアルバムだと思います。いや楽しめると言うより聴いている者全てを気持ち良くさせるアルバムです。
このアルバムは、パシフィック・ヘブン・レーベルというところからリリースされているのですが、以前紹介したTEMIYAN (宮手 健雄)の『South Calendar』 も同じレーベルからシリーズのひとつとしてリリースされたものです。本当に気持ち良くなれるアルバムなので、もし興味があったら聴いてみて下さい。寝苦しい熱帯夜のお供に最適だと思いますよ。

作者:kaz-shin

更新日:2008年7月1日 0時8分

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木村 恵子_CAFE 1984


今回紹介するのは、1988年にシングル「コルトレーンで愛して」、アルバム『STYLE』でデビューを飾ったシンガー・ソングライターの木村 恵子が、1989年にリリースした3rdアルバム『CAFE 1984』です。
木村 恵子は、1990年迄4枚のアルバムをリリースしており、1991年には元パール兄弟の窪田晴男(G)とボサノヴァ・ユニット、ケルカンを結成し、アルバム3枚をリリースしています。その後は結婚、そしてソングライターとしての活動も続けていたようですね。
木村 恵子の作品では、鈴木 茂が作曲、アレンジ面で大きく関わった1stアルバム『STYLE』がCITY POPのガイド本でも取り上げられていましす、人気もあるようです(私もいずれ紹介するつもりですが・・・)が、ソングライターとしての魅力が詰まった本作も個人的には大好きなアルバムです。

アルバム収録曲10曲全てが、作詞:麻生 圭子、作曲:木村 恵子、編曲:佐橋 佳幸の手によるものです。
参加ミュージシャンは、青山 純(ds)、江口 信夫(ds)、渡辺 等(b)、美久月 千晴(b)、有賀 啓雄(b)、佐橋 佳幸(g)、西本 明(key)、乾 裕樹(key)、浜口 茂外也(per)、本田 雅人(sax)、楠瀬 誠志郎(cho)、桐ヶ谷兄弟(cho)、国分 友里恵(cho)等という顔触れです。
お世辞にも歌が上手いとは言えませんが、収録曲はどれもキャッチーなメロディーでポップな曲が多く、非常に聴き易いアルバムだと思います。
ただ、リリースされたのが12月頃だったので冬の曲が多く、今の季節にぴったりと言う訳にはいきませんが、軽快な曲も多いのでドライブのBGMにはピッタリな感じです。

『木村 恵子 / CAFE 1984』
01. 湾岸線はStarry Night
02. クリスマスの椅子
03. June、June
04. CAFE 1984
05. 知らん顔してあげる
06. 明日は雨になる
07. あなたのままでいて
08. 空に返した誕生日
09. 天使を着た女たち
10. 最終ソリチュード便

疾走感溢れるアレンジが心地良いポップ・チューン01。千葉県に住んでいる私にとって湾岸線というのは思い入れの強い高速でもありますし、タイトルがいかにもCITY POPっぽいのも良いですね(笑)

クリスマス・ソング02。一人淋しくクリスマスをレストランで迎える女性の歌です。いかにもクリスマス・ソングという雰囲気ではないのですが、アレンジ、特に楠瀬 誠志郎のコーラス・ワークが秀逸で、しっとりとした美しいバラードに仕上がっています。

軽快で跳ねた感じのリズムに、ドゥービー風リフが印象的なナンバー03。結婚に焦りを感じているにも関わらず、なかなかプロポーズしてくれない彼へのじれったい気持ちを歌った曲です。曲調が明るく、キャッチーなメロディーで馴染みやすい曲です。

アルバム・タイトル曲04。ちょっと暗めのヨーロピアン風なナンバーです。私の勝手なイメージなんですが、ヨーロッパというと夏よりも冬のイメージが強いんですね。そういう意味では冬のイメージの強いこの曲は、私のイメージにぴったりなんです。

リズムが軽快なポップ・ナンバー05。この曲に関しては初夏のイメージがあって、爽やかな空気感が気持ち良いですね。国分 友里恵のコーラスが美しさが際立っています。

ボッサ調の渋いナンバー06。佐橋 佳幸のギターが冴えています。メロディーもキャッチーで、ボッサ調の曲と木村 恵子の歌声の相性はかなり良いですね。後のケルカンでの活動が頷ける1曲と言えます。なかなか良い曲ですよ。

八木 のぶおのハーモニカが哀愁漂うバラード・ナンバー07。特に特徴らしい特徴の無いオーソドックスなバラード曲です(笑)

晴れた昼下がりにサイクリングやウォーキングしながら聴きたいような08。眩しい陽射しと心地良い風に吹かれている、そんな気持ちにさせてくれる曲です。寂しい歌詞と対照的なメロディー、アレンジとのアンバランスなところも面白いと思います。

中西 俊博のE.Violinをフィーチャーしたフォルクローレの香りの強いミディアム・チューン09。どこか70年代の歌謡曲風なイメージのある曲で、どこか懐かしささえ感じた曲でした。歌謡曲に親しんだ世代としては結構お気に入りの1曲になっています。

アルバムの最後に相応しいダイナミックなバラード曲10。佐橋 佳幸のアレンジャーとしての非凡な才能を感じる1曲です。

それにしても1stアルバムのジャケット写真とこの3rdアルバムのジャケット写真では、イメージがかなり違います。サウンド的なイメージに合わせたものでしょうが・・・。女性というのは色んな表情を見せてくれるものですね。それにしても眉の太さに時代を感じますね(笑)
ビジュアル的な話はさておき、木村 恵子のソングライターとしての才能を見事に発揮しているアルバムだと思います。佐橋 佳幸のアレンジも見事で、決して派手ではないですがツボをおさえたもので、木村 恵子のヴォーカルにマッチしていると思います。
メロディアスで聴き易い曲が多いので、興味のある方はぜひ聴いてみて下さい。探せばBOOK OFF等でも見つかると思います。

作者:kaz-shin

更新日:2008年6月29日 0時3分

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車の話・・・

今回は音楽には関係のない話題です。
"Music Avenue"を訪れて下さる皆さんの中には、車好きの方も大勢いらっしゃると思います。私は決して嫌いではありませんが、"車好き"と呼べるほどでもありあせん。ごく一般的な程度に好きです(笑)
ですから車の性能や使われている技術についての知識も浅いものしかありません。とは言え、車は必需品ですし、もちろん今も乗っています。

今乗っている車が今年の冬に7回目の車検(15年目)を迎えることになり、さすがにそろそろ買い替えようかということになり、実は先週契約してきました。
車を買い替えるとなれば、車好きの人なら色々なメーカーの車種を比較、検討した上で、車の性能、デザイン、居住性、価格などを総合的に判断して決めるのがセオリーですよね。
皆さんは車選びで最も重要視しているのは何ですか?
私の場合は少し変わってまして、まず第一に重要視しているのがデザインです。極端に言えばデザインが気に入れば、運動性能は二の次なんですね。第二に重要視しているのが居住性といったところです。私の場合、デザインが気に入ると長く乗り続けられます。今乗っている車も15年前に購入した時に、そのデザインに惚れ込んで購入しました。


上の写真が、今乗っているユーノス500という車です。写真と同じ形式、色のものに乗っています。
当時、バブリー景気に後押しされたマツダが販売チャンネルを増やしました。ユーノス・ブランドもそのひとつ。このユーノス500は、高級感のある5ナンバーのセダンというコンセプトがあったようで、5ナンバーの車にしては贅沢なスペックを持った車でした。エンジンはV6の2リットルで、長時間運転しても疲れないというオルガン・ペダル式のアクセルを採用していました。塗装も「10年経っても色褪せない塗装」というキャッチフレーズでした。確かに塗装は、15年乗っていて、しかもその内10年近くは野晒しの駐車場でしたが色褪せ、色落ちが全く無く、洗車するだけでかなり綺麗な状態です。
そんな中で私が最も気に入ったのはデザインで、かのジウジアーロも絶賛したと言われるデザインがこの車を購入した最大の理由だったんです。

しかし、今となってはデザイン以外は不満点ばかり・・・。まずはデザイン性を優先した為か居住性の悪さですね。低いフォルムの為にシートを低い位置に設置されており、決して狭くはないのですが長時間運転していると腰が痛くなります。腰痛持ちの私にとっては死活問題でもあります。
次に燃費の悪さ。ハイオク仕様で、しかも街乗りでリッター6kmというのは、ガソリン高騰の現在において実にお財布と環境に優しくない車である訳です。安全性についても、当時はエアバックは高級なオプション品だったため付けていません(笑)
以上の点をふまえて、今回の買い替えに至りました。買い換えるのは↓の写真の車です。

ホンダのストリームRSZの2.0ℓ、特別仕様車(HDDナビエディション)です。写真と同じクールアンバーメタリックという色にしました。
この車に決めた理由は、以下の6つ。

①デザイン:初代ストリームは好きになれないデザインでしたが、今回のデザインはかなりお気に入りです。フロントや後ろから見た感じも私好みです。

②大きさ:マンションの駐車場が地上1段、地下2段の3段式駐車場の真ん中で、高さ制限(1550㎜)があります。ストリームは7人乗れるミニバンでありながら、ホンダ自慢の低床で1545㎜に抑えられているので、まさにぴったりの大きさでした。

③居住性:5ナンバーの車体の7人乗りを実現していますので、3列目のシートはさすがに長時間乗るには厳しいかも知れませんが、普段は夫婦二人しか乗りませんので3列目は倒して、ラケッジスペースとして使うので問題ありません。年老いてきた両親を乗せて旅行などに出かけても2列目のシートはかなり広いですし、乗り降りも楽なので気に入ってます。

④運動性能:エンジンは2.0ℓのSOHC i-VTEC。トランスミッションは以前から乗ってみたかったCVT。しかもRSZには7スピードモードが付いていて、パドルシフトによってマニュアル車のような運転も可能なので、峠道などで威力を発揮してくれそうです。スポーティーな走りが出来るようにチューニングされているRSZなので、単にファミリーカーとしてのミニバンぽく無い所もポイント高いです。

⑤装備:特別仕様車なので、それだけで装備はかなり充実しているのですが、最も期待しているのがナビゲーション・システムです。リアカメラ付きの純正ナビで、やはり1番の注目はホンダ独自のインターナビVICSでしょうか。携帯電話や通信カードを使って、インターナビ・フローティングカーシステムと渋滞予測情報が利用できるというのが魅力です。

⑥価格・費用:グレードの高いタイプの特別仕様車なので、割安感があると言っても決して安い買い物ではありません。しかし、義弟がホンダ関係の会社に勤めているので割引制度を使えたのも助かりました(これが1番大きな理由だったりして・・・笑)。今の駐車場に入るサイズのミニバンとして、同じホンダのオデッセイも候補に入れましたが、もうすぐモデルチェンジしそうなのと、やはり3ナンバーでは維持費に違いが出るので5ナンバーのストリームにしました。燃費もリッター・カーに比べれば落ちますが、今の車に比べればレギュラー・ガソリンでしす、燃費も悪くなるとは考えにくいですからね。燃費消費率も10・15モードで14.6㎞/ℓということでスポーツタイプのエンジンにしては良い方かと思っています。

納車予定は7月20日です。来週末には書類手続きと最終的なオプションを決めようと思っています。主たるオプションは注文済みなので、細かなオプション品を頼もうかと考えているのですが、カタログを見ながら色々考えているこの時期が1番楽しいですね。納車されたらされたで、カー用品を買いに出かけたり、意味も無く車を走らせたりするんでしょう、きっと(笑)
また納車されて乗ってみての感想については、機会をみて記事を書いてみようと思っています。

作者:kaz-shin

更新日:2008年6月28日 11時15分

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NAVIGATION TO ISLANDS ~ Sound Image Collection Ⅰ~


最近はBOOK OFFへ中古CDを物色に出かけても、なかなか掘り出し物と思しきCDには出会えていません。そんな時私は、コンピレーションの棚を丹念に探すことにしています。その中には全くリリースされていたことさえ知らなかった企画モノで、私の興味をそそるアルバムがたまに発見出来るからです。
今回紹介するアルバムもそんな1枚です。夏向きの心地良く聴けるFUSION系の企画モノ・アルバム『NAVIGATION TO ISLANDS ~ Sound Image Collection Ⅰ~』(1986年)です。"Collection Ⅰ"がある以上、2作目、3作目が作られたのかどうかは不明です。ネットで検索してみましたが、このアルバムについてはよく判りませんでした。

3組のプロジェクトが夏をイメージした曲(インスト曲を中心にしています)を3曲ずつ演奏している、ヒーリング系にも近い雰囲気を持ったアルバムです。これが予想以上に心地良いサウンドで、夏のドライブにもピッタリな感じなんですね。
3組のプロジェクトというのは、
"OGURA PROJECT"
小倉 泰治(key)、小原 信哉(g)、青木 智仁(b)、土肥 晃(ds)、小池 修(sax)、Cindy(cho)、佐々木 久美(cho)、Carl Moore(cho)
"OGATA PROJECT"
緒方 泰男(All Instruments)、鳴瀬 善博(b)、KAZUO SUGIYAMA(ds)
"HASEGAWA PROJECT"
鈴木"リカ"徹(ds)、草加 浩(ds)、六川 正彦(b)、若宮 巧三(key)、長谷川 純也(g)、Jeffrey Vincent(vo、cho)、Mike Dunn(cho)

どのプロジェクトもなかなか渋いメンバーが集まっています。演奏も実にリラックスした雰囲気で、夏の暑さの中で飲む冷えた清涼飲料水のような趣きがあります。

『NAVIGATION TO ISLANDS ~ Sound Image Collection Ⅰ~』
01. ON THE SHORE OF LOVE
02. BRAZILIAN BIRDS
03. CELEBRATE ANOTHER DAY
04. SQUALL AVENUE
05. DON'T WANNA GO WITHOUT YOU
06. DIFFUSED REFLECTION
07. NAVIGATION TRIANGLE (ISLAND BREEZE)
08. DELICIOUS FRAGRANCE
09. MOONLIGHT RECOLLECTION

OGURA PROJECTのナンバーは、01、04、09の3曲。
作詞:Cindy、作・編曲:小倉 泰治による01は、Cindy等のコーラスが涼しげなリゾート感溢れるナンバー。
01と同じ作詞:Cindy、作・編曲:小倉 泰治による04。テンポのある弾けたナンバーで、青木 智仁らしいベースが印象的な1曲です。真夏のスコールの独特な心地良さを感じます。
作・編曲:小倉 泰治によるバラード・ナンバー09。星空と月が輝く夜空を眺めながら聴きたい、そんな1曲に仕上がっています。
01が涼しい午前中、04は暑い盛りの昼、09は静かな夜というイメージでしょうか・・・。

OGATA PROJECTのナンバーは、02、06、08の3曲。
作・編曲:緒方 泰男による02は、ベースとドラム以外の楽器を緒方 泰男が手掛けていて、ギターもなかなか良い感じで弾いてます。
作・編曲:緒方 泰男&鳴瀬 善博による06。打ち込みのリズムとベースはシンセ・ベースで、鳴瀬はベースでメロディーを弾いているのかも知れません。
作・編曲:緒方 泰男による08は、真夜中の静けさを感じさせるバラード・ナンバー。タイトルの通りで甘い匂いが漂ってきそうな1曲です。

HASEGAWA PROJECTのナンバーは、03、05、07の3曲。
作詞:Mike Dunn、作・編曲:長谷川 純也による03は、Jeffrey VincentのヴォーカルをフィーチャーしたAOR風ナンバー。長谷川 純也のギター・ソロが印象的な1曲です。
03と同じ作詞:Mike Dunn、作・編曲:長谷川 純也による05。パラシュート・サウンドを彷彿させる曲で、03同様Jeffrey Vincentのヴォーカルをフィーチャーしており、やはりAOR風に仕上がっています。サビのメロディーが耳に残ります。
作・編曲:長谷川 純也による涼しげなインスト・ナンバー07。高中 正義の世界観にも似たギター・フュージョンを聴かせてくれます。私の1番のお気に入り。

このアルバムは、BOOK OFFの安棚のコンピレーションのコーナーで250円で売られてました(笑)
夏という季節が大好きな割には暑さに弱い私としては、猛暑を乗り越えるには涼しげな音楽が不可欠なんです。このアルバムは今年から、夏には欠かせないアルバム『Pacific』と共に何度も聴くことになりそうです。

作者:kaz-shin

更新日:2008年6月26日 0時2分

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SADISTICS_WE ARE JUST TAKING OFF (Part 2)


今回はブログを始めた頃に紹介したものの、今読み返すとあまりにも記事の内容が薄っぺらだったので改めて紹介するPart 2シリーズです。
この季節になると毎年のように聴いている1枚で、レコード時代から換算すればもう30年も愛聴しているのが、サディスティックスの2ndアルバム『WE ARE JUST TAKING OFF』(1978年)です。ご存知の方も多いと思いますが、サディスティックスはサディスティック・ミカ・バンド解散後、高橋 幸宏、高中 正義、後藤 次利、今井 裕によって結成されたスーパー・バンドです。

スーパー・バンドと書いたのは決して大袈裟では無く、メンバー全員が優れた演奏技術を持ったミュージシャンだということ。それだけに留まらず、メンバー全員が作曲・編曲・プロデュースの才能に長けているというのは、長いJ-POPの歴史の中でも本当に稀な存在だと思います。
しかし、各メンバーの個性が強烈だったことが、バンドとしてのサウンドの方向性を見出せない結果となり、結局ライブ・アルバムを含めてたった3枚のアルバムをリリースして自然消滅してしまったのでしょう。

『WE ARE JUST TAKING OFF』は、1stアルバム『SADISTICS』に比べると、あくまでもメンバー各々が持ち寄った、それぞれの個性が前面に出た作品が集められていて、バンド・サウンドとしての面白みはありません。でも、その後のメンバーの活躍を予感させる素晴らしい作品が集まっていて、個人的には大好きなアルバムなんです。こういう形であと2~3枚アルバムを出して欲しかったなというのが正直な私の思いです(笑)

『SADISTICS / WE ARE JUST TAKING OFF』
01. WE ARE JUST TAKING OFF
02. BLUE CURACAO
03. ADIOS
04. CLOSE YOUR EYES
05. NAO
06. GAME
07. ON THE SEASHORE
08. FLOATING ON THE WAVES

今井 裕の作曲・編曲によるアルバム・タイトル曲01。軽快なリズムが心地良いインスト・ナンバーです。キレの良い高橋 幸宏のドラムを軸に、パーカッションと後藤 次利の重厚なベースがアクセントとなっています。コーラスに桑名 晴子が加わり、夏の海辺の夕暮れ時の情景にぴったりな涼しげサウンドに仕上がっています。

高中 正義の作詞・作曲・編曲による02。このアルバムがリリースされている時点で既にソロ・アルバムを3~4枚はリリースしていた高中ですから、すっかり高中カラーというのが出来上がっていますね。いかにも高中らしい1曲です。それでもこの面子で演奏しているというのが、私個人的には貴重な訳でして・・・(笑) ここでも桑名 晴子が良いヴォーカルを聴かせてくれます。

高橋 幸宏の作詞・作曲・編曲による03。このアルバムを同じ年にリリースされた幸宏の1stソロ・アルバム『Saravah!』のアルバム・カラーに通じる作品で、いかにも幸宏らしい洒落た雰囲気がたまらない1曲です。それにしてもサディスティックスの演奏は本当に心地良いですね。

高中 正義の作詞・作曲・編曲による04。高中の決して上手くはないけれど、味のあるヴォーカルを堪能出来る1曲です。それにしてもこの当時から高中=海・夏というイメージはすっかり定着していました。風を感じる爽やかなナンバーです。

後藤 次利の作曲・編曲によるインスト・ナンバー05。このアルバムにおいて1番印象強いのが後藤 次利だと思っています。ベース・プレイはもちろん、作曲家・編曲家として後の活躍を予感させる素晴らしい作品を書いています。このインストもメロディーはもちろんですが、アレンジャー、ベーシストとしての素晴らしい才能を感じさせてくれます。村上 秀一と高橋 幸宏のツイン・ドラムの迫力と、メロディーやソロを奏でる次利の重厚なベース・プレイ。次利好きにはたまらない1曲です。

高橋 幸宏の作詞・作曲・編曲による06。やはり03同様、幸宏らしい作品です。幸宏のヴォーカルもお世辞にも上手いとは言えませんが、声質の良さと繊細な歌声は魅力があります。ヴォーカルだけで言えば、サディスティックスの中では1番でしょうね。夜のドライブのBGMにぴったりな1曲。

作詞:高橋 幸宏、作曲・編曲:後藤 次利による名曲07。次利の作曲センスに脱帽です。私にとって毎年夏の定番曲になっている曲なんですが、メロディーの美しさ、情景が頭に浮かんでくるようなアレンジ、桑名 晴子のヴォーカル・・・。まさに夏に相応しいナンバーです。演奏面では特に派手さはありませんが、トータル的なバランスや情景を音で表現することを優先したような渋い演奏です。そんな中で幸宏のハイハット・ワークは素晴らしいですね。

今井 裕の作詞・作曲・編曲による08。彼の唯一のソロ・アルバム『A COOL EVENING』(1977年)に収録されていても違和感の無い今井 裕らしさを感じる1曲です。美しいバラード調で始まり、途中からレゲエ風に変わっていき、またバラード調に戻るという面白い構成です。まるで夏の1日、涼しい朝~暑い昼間~心地良い夕暮れといった流れを感じます。

私にとってはアルバムがリリースされてから30年経過した今でも、全く色褪せずに輝き続けているアルバムの1枚です。確かに作品はメンバーの個性が前面に出ていますが、演奏はまさしくサディスティックスならではのもので、この演奏を聴くだけでも十分に価値のあると思っています。
夏向きに良い音楽を探している方、あるいはCITY POP好きな人にはぜひとも機会があれば聴いて欲しいアルバムです。30年も前にこれほどセンスの良い曲を書き、アレンジする高い能力・センスを持った4人が集まった稀有なバンド、サディスティックス。
今の時代にこのような音楽がどう受け止まられるかは分かりませんが、ぜひとも多くの人に聴いて欲しいなと思います。

作者:kaz-shin

更新日:2008年6月24日 0時1分

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杉山 清貴&オメガトライブ_NEVER ENDING SUMMER


今回紹介するのは、杉山 清貴&オメガトライブが1984年にリリースした通算3作目となるオリジナル・アルバム『NEVER ENDING SUMMER』です。
夏=オメガトライブというイメージを持っている方も多いと思いますが、この『NEVER ENDING SUMMER』は確か12月にリリースされたアルバムで、歌詞も冬にまつわる曲が多いのが特徴ですね。それでも杉山 清貴の歌声は爽やかで、じめじめとした梅雨時の嫌な気分を吹き飛ばしてくれる気がします。

アルバムも3枚目となり、オメガトライブとしての音楽の方向性も安定期に入った感がありますが、これは当然プロデューサーである藤田 浩一やサウンド・アドバイザーと数多いヒット曲を提供してきた林 哲司がオメガトライブを支えてきた結果であるとも言えるでしょうね。
このアルバムのもう一つの特徴として、杉山 清貴がアルバム収録曲全9曲中4曲という約半分の曲の作曲を手掛けているところでしょう。まさにソングライターとして成長著しい時期だったのでしょうが、面白いのはこの頃の彼の書いた作品の多くは、林 哲司の影響が色濃いところだと思っています。いわゆる林 哲司っぽい曲が多いということなんですが、それが逆にアルバムに統一感をもたらしているのも事実ですね。
飛び抜けて印象深い曲はありませんが、どの曲もキャッチーで聴きやすいというのが、いかにもオメガトライブらしいと言えるかも知れません。

『杉山 清貴&オメガトライブ / NEVER ENDING SUMMER』
01. Misty Night Cruising
02. Eastern Railroad
03. Twilight Bay City
04. Riverside Hotel
05. Stay The Night Forever
06. Never Ending Summer Ⅰ
07. Never Ending Summer Ⅱ
08. Never Ending Summer Ⅲ
09. Never Ending Summer Ⅳ ~ Prolog

疾走感溢れるナンバー01。杉山 清貴の作曲ですが、この曲は特に林 哲司の影響を強く感じますね。とてもキャッチーなナンバーで、アルバムのTOPを飾るに相応しい曲だと思います。アレンジは松下 誠。CITY POP色の強いサウンドですが、シモンズ(シンセ・ドラム)の音が時代を感じさせます(笑)

ホーン・セクションを使ったFUNKYなナンバー02。この曲も杉山 清貴の作曲です。私はこういう都会的なイメージのオメガトライブの曲って凄く好きなんですよね。アレンジを手掛けているのは私も大好きなアレンジャーの一人、志熊 研三です。

爽やかなミディアム・ナンバー03。この曲も作曲:杉山 清貴、編曲:志熊 研三のコンビです。都会的でありながら清々しさを感じるようなメロディー・ラインとアレンジが印象的で、個人的にお気に入りの1曲になっています。

シングル曲04。作詞:康 珍化、作・編曲:林 哲司によるナンバー。彼等のシングルの中では地味な作品と言えるかも知れませんが、私は結構好きな曲なんですよね。AメロからBメロ、そしてサビへと徐々に盛り上げていく構成が、いかにも林 哲司らしいですね。

杉山 清貴の作曲によるしっとりと聴かせるバラード曲05。まさに王道とも言えるバラード曲でしょう。

このアルバムのハイライト曲である組曲06~09。作詞:秋元 康、作・編曲:林 哲司によるもので、組曲らしくストーリー仕立ての歌詞と林 哲司のメロディーとのマッチングが素晴らしいですね。美しいストリングスをバックにバラード調で始まり、テンポ・アップしていく06。この曲に関してはバラード調で通しても良かったような気がします。CITY POP色の強いミディアム・ナンバー07。林 哲司のアレンジのセンスが光る曲で、この曲は好きなんです。08も林 哲司らしいミミディアム・ナンバーで、アイドル系シンガーが歌っても似合いそうな作品ですね。アレンジがいかにも和製デヴィッド・フォスター、林 哲司らしいバラード・ナンバー09。この曲に関してはメロディーよりもアレンジが私の興味を惹きました。

以前紹介した『RIVER'S ISLAND』が私の1番好きなアルバムなんですが、私はいかにも夏っぽいといった作品よりも都会的な作品が好きなんです。杉山 清貴の歌声も夏向きだとは思いますが、どこか都会的な雰囲気に似合うある種の冷たさを持っているような気がしています。ですから本作『NEVER ENDING SUMMER』も、冬という季節感と都会的な雰囲気が強く、どこか冷たさを感じるので個人的には大変気に入っているアルバムなんです。この独特な冷たさは、蒸し暑い日本の夏をクール・ダウンさせてくれるかも知れませんね(笑)
興味のある方はぜひ聴いてみて下さい。

作者:kaz-shin

更新日:2008年6月23日 0時30分

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135_135


今回紹介するのは、梶原 茂人、高木 茂治、本田 義博の3人組のユニット、135の1987年の1stアルバム『135』です。
135に関しては、名前は目にしていたものの大した興味も湧かず今まで聴かずにきていたんですが、当時センスの良いアーティスト、アルバムを抱えていたairレーベルからリリースされたアルバムですし、唯一彼等の曲で知っていた曲「我愛你(ウォー・アイ・ニー)」が収録されていたことや、BOOK OFFで250円で売られていたので購入してみました。

135は"いち・さん・ご"と読み、その名前の由来は、日本の標準子午線、東経135度を意味するらしいです。彼等の音楽は、幅広いジャンルの音楽を上手く取り入れた耳に馴染みやすいPOPな曲が中心となっています。年代的にリズムは打ち込み中心ですが、生の演奏も組み込んでいて今の時代に聴いても然程違和感を感じませんね。一部の曲を除けば、ほぼ全曲の曲が135名義で書かれたもので、アレンジは林 有三&135名義のものが多くなっています。

『135 / 135』
01. 我愛你 (ウォー・アイ・ニー)
02. 夢勘定はひとり事
03. silent days
04. トキオの顔
05. 0%麗人 (レイパーレイジン)
06. Just a Memory
07. ナスカの風 ~ 自由な蟻
08. ジャイプルの象
09. 湾岸Night

タイトル通り、オリエンタルなムードが漂う01。サビのメロディーが強く印象に残る曲です。ですから昔ラジオなどで聴いていたのをずっと覚えていたんでしょうね。曲毎のクレジットが無いのですが、おそらくベースを弾いているのは故・青木 智仁でしょう。

摩訶不思議なタイトルの02。曲自体はCITY POP風なリズム・アレンジが洒落ているポップ・ナンバーです。メロディーの端々にオリエンタルな香りがするのが、135のひとつの特徴なのかも知れません。

矢島 賢のアレンジによる幻想的なバラード曲03。メロディーは奇をてらったものではなく、あくまでもキャッチーなのがとても聴きやすくて良いですね。ヴォーカルも癖が無くてすんなり耳に溶け込んできます。ギター・ソロはおそらく矢島 賢自身だと思います。

異国情緒漂うミディアム・ナンバー04。メロディーやアレンジにフォルクローレの匂いがする曲です。打ち込み中心ですが、よく練られているアレンジだと思います。

135のデビュー・シングル曲05。元SASの大森 隆志が作曲、矢島 賢のアレンジ曲です。シングル曲だけあってキャッチーなメロディーを持ったPOPナンバーです。ただ、何故かサビ部が大阪弁なんですが・・・(笑)

アコースティックな弦楽器をフィーチャーした、しっとり聴かせるバラード・ナンバー06。美しいメロディーが印象的です。

インスト曲(ナスカの風)とメドレー形式になっている07。インスト・ナンバーは、イメージ的にはクスコに似た雰囲気です。続く「自由な蟻」はカヴァー曲のようですが、不思議な魅力を持ってます。

インスト・ナンバー08。打ち込みとシンセを巧みに使った重厚なサウンドが特徴ですね。林 有三ならではのアレンジと言えるかも知れません。

アルバム中で最もスリリングでFUNKYなCITY POP系ナンバーです。いかにも青木 智仁(おそらくですが・・・)らしいスラップ・ベースが光っています。私個人的には1番好きなナンバーで、こういう路線をもっと増やしてくれたら最高ですね。林 有三がアレンジに関わっているだけに、CITY POP色全開だった頃の角松 敏生のサウンドによく似ています。

調べてみると135は現在、メンバー2名が脱退して梶原 茂人の一人だけになったようですが、特に135が消滅したということは無いようです。確かにメロディーやアレンジのセンスには光るものを感じますし、ワールド・ワイドな音楽的な広がりを感じる面白いユニットですね。
私はこのアルバムが135初体験だったのですが、もっと聴いてみたくなりました。特に09のような曲が、2ndアルバム以降で増えていたのなら尚更聴いてみたい気がします(笑)
最近、忙しくてBOOK OFF探索も出来ませんでしたが、また復活した際には135の他のアルバムも探してみようと思います。もし、お薦めのアルバムとかありましたら、紹介して頂けたら嬉しいです。

作者:kaz-shin

更新日:2008年6月22日 14時22分

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佐藤 博_TOUCH THE HEART


今回紹介するのは、キーボーディスト、作曲家、編曲家、プロデューサーとしての活躍はもちろん、自らもシンガー・ソングライターとして数多くのアルバムをリリースしている佐藤 博の1989年のアルバム『TOUCH THE HEART』です。

佐藤 博は1982年リリースの名盤『awakening』以降の作品は、一貫して多重録音と打ち込みを中心としたサウンドになっているのが特徴と言えるでしょう。しかし、80年代半ば以降に流行した打ち込み系のサウンドと佐藤 博の打ち込み系のサウンドでは、同じ年代に作られたものでも明らかな違いがありますね。前者は今聴くと陳腐とは言わないまでも、非常に古臭く感じるものが多いのですが、佐藤 博の打ち込みのサウンドは今聴いても古臭さはあまり感じません。プログラミングやアレンジ、音に対するセンスの違いでここまで違ってくるんだなと実感させられます。佐藤 博の作り出す打ち込みサウンドは、生演奏とのギャップをあまり感じさせないものなので、本来打ち込み系のサウンドが好きではない私が今でも愛聴している大きな理由なのかも知れません。

『佐藤 博 / TOUCH THE HEART』
01. Stop the Rain
02. Fuzzy Love
03. Another Land
04. Adieu
05. Missing Link
06. My Hometown
07. Rosy Heart
08. Paradise
09. Bay Side Hotel
10. Touch the Heart

メロディアスで軽快なPOPナンバー01。シンセと打ち込み、藤井 美保のコーラスだけというシンプルな構成ですが、何とも心地良いサウンドで溢れています。"雨"を題材にしたナンバーですが、ジメジメしたところが無くて逆に爽やかさを感じる1曲ですね。

青山 純(ds)、伊藤 広規(b)、松原 正樹(g)、浜口 茂外也(per)、EVE(cho)、藤井 美保(cho)が参加したAORなミディアム・ナンバー02。打ち込みのリズムと生のリズムを上手く融合されているので聴いていて不自然さを全く感じません。

青山 純(ds)、鳥山 雄司(g)、本田 雅人(sax)、藤井 美保(cho)が参加している03は、跳ねたようなリズムとスピード感が心地良いナンバー。

打ち込みと吉川 忠英のアコースティック・ギターによるボッサ調のアレンジがお洒落な04。佐藤 博&藤井 美保のデュエット形式のヴォーカルもしっとりとして気持ち良く耳に届いてきます。

FUNKYでスリリングなインスト・ナンバー05。打ち込みとシンセを巧みに使ったFUNKYなリズムに鳥山 雄司と松原 正樹のギターのカッティング、ソロの掛け合い、本田 雅人のブロウがエキサイティングです。鳥山 雄司と松原 正樹という顔合わせは意外にありそうで無かったと思います。音色が似ている二人だけにこのソロ合戦は面白いですよ。

素朴な味わいがどこかカントリー・ソングを彷彿させるような06。松原 正樹のギターと鈴木 茂のスライド・ギターがフィーチャーされており、二人のギター・プレイが実に味わい深く、気分をリラックスさせてくれる曲です。EVEのコーラスも良い味出しています。

佐藤 博がプロデュースした羽根田征子の2ndアルバム『SORA』にも取り上げられていたナンバー07。初夏の昼下がりに聴きたいようなポップ・チューンです。鳥山 雄司のギター・カッティング・プレイが冴えており、サウンド的には都会的でありながらも渇いた風を感じる、そんな1曲です。

メロウなミディアム・ナンバー08。この曲も実にお洒落な1曲で、佐藤 博と藤井 美保のデュエットが素晴らしいです。吉川 忠英(ag)、浜口 茂外也(per)、菅野 洋子(key)が参加しています。

ムーディーかつJAZZYなスロー・ナンバー09。佐藤 博らしいピアノ・プレイと松木 恒秀のアコースティック・ギターのプレイがとにかく渋いの一言ですね。今回のアルバムの中では数少ない夜を感じさせる曲です。

佐藤 博の打ち込み・多重録音によるインスト・ナンバー10。9分に近い大作です。幻想的な雰囲気で、ヒーリング・ミュージック的というよりもプログレに近い感じがします。アルバム中で最も佐藤 博のワン・アンド・オンリーなピアノ・プレイを堪能出来る1曲でもあります。

決して突出した曲がある訳ではないのですが、絶妙なアレンジと音のバランスで聴く者を魅了してしまう、そんなアルバムですね。音に関する佐藤 博の拘りは相当なもので、このアルバムのミキシングは全て佐藤 博自らが手掛けています。
初夏という季節、暑い日はありますが、まだ風が乾いていて心地良い今頃の季節にピッタリと言えるアルバムだと思います。私も毎年この季節になると必ず聴きたくなるアルバムの1枚になっています。

作者:kaz-shin

更新日:2008年6月20日 0時13分

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SANDII_THE VERY BEST OF SANDII'S HAWAI'I


今回紹介するのは、1970年代初頭からサンディー・アイ、サンディー・オニール、サンドラ・ホーン等の芸名を使い分け、久保田麻琴と夕焼け楽団を母体にしたサンディー&ザ・サンセッツの活躍で知られるSANDIIがリリースしたハワイ音楽を集めたのベスト・アルバム『THE VERY BEST OF SANDII'S HAWAI'I』です。

SANDIIは、スパニッシュの血を継ぐ米国人として日本に生まれ、10歳頃からハイスクール卒業頃まではハワイで暮らしていたようですね。ですからSANDIIが90年代半ば以降、ハワイ音楽に傾倒していったというのも頷ける話です。このベスト盤がリリースされるまでに既に6枚ものハワイ音楽に関するアルバムをリリースしています。
私自身は特にハワイ音楽、ハワイアンに興味があった訳でも知識があった訳でも無いのですが、スラック・キー・ギターやウクレレの音色は好きでしたので、機会があれば聴いてみたいとは思っていました。しかし、何から聴いて良いやら皆目見当が付きませんでした(笑)
そんな時に出会ったのが、このベスト盤でした。歌っているのはSANDIIですし、これは聴いてみる価値はありそうだという事で購入したものです。

収録曲は17曲でボリュームも満点です。J-POPカヴァーもありますし、ハワイアンに何の知識の無い私でも知っている(聴いたことのある)曲が収録されていて聴きやすかったです。何より聴いていてゆったりとしたリラックス気分に浸れる心地良さが、このアルバムに詰まっています。

『SANDII / THE VERY BEST OF SANDII'S HAWAI'I』
01. IN THE SUMMERTIME (Contains:Pakakina)
02. SEA OF LOVE (Contains:Oli Aloha, Pi'i Mai Ka Nalu)
03. 'AKAKA FALLS
04. THE PIDGIN ENGLISH HULA (Ah Sa Mala You Last Night?)
05. WAIKIKI
06. KAUOHA MAI
07. MELE O KE KAHAKAI (Hamabe No Uta)
08. KEALI'I HULU MAMO ~ KIMO HULA
09. PUA MAE'OLE
10. ADVENTURES IN PARADISE ~ FOLLOW ME
11. KAMALANI O KEAUKAHA
12. 真夏の果実
13. PUA LILILEHUA
14. WOMAN
15. DO THE HULA
16. KAIMANA HILA
17. 見上げてごらん夜の星を

17曲も収録されているので曲毎のレビューは割愛させて頂きますが、この中でお気に入りの曲を数曲紹介しておきましょう。

ハワイアンのトラッド・ナンバーに1950年代終わりのフィル・フィリップスのヒット・ナンバーを組み合わせた02。波の音のSEやスラック・キー・ギターが何ともハワイアンな雰囲気を醸し出して最高に心地良い1曲です。

04、05、16はハワイアンに対して知識の無い私でも聴いたことのあるナンバーです。どちらの曲もウクレレとスティール・ギターがフィーチャーされており、その音色がいかにもハワイアンといった感じです。

日本の曲でありながらこれほどハワイアンに溶け込んでしまっている曲も珍しいとさえ思える06。誰もが知っているであろう「浜辺の歌」です。

12はお馴染みサザン・オールスターズのヒット・ナンバーのカヴァーです。打ち込みのリズムにスラック・キー・ギター、ウクレレ、スティール・ギターというシンプルな演奏なんですが、艶っぽいSANDIIのヴォーカルとコーラス・ワークが魅力的です。サザンの曲の中にはハワイアンな演奏が似合う曲がありますが、この曲などはその代表でしょうね。

あのジョン・レノンの名曲をハワイアンにしてしまった14。SANDIIならではの世界が広がっています。実に気持ち良く聴けるアレンジですね。

永 六輔&いずみたくのゴールデン・コンビによる坂本 九の名曲のカヴァー17。スラック・キー・ギター2本がメインとなって演奏されています。このメロディーにはシンプルな演奏が本当によく似合います。ワイキキの浜辺から夜空を仰ぎ見ながら聴きたくなりますね。

音楽の理論に関しては全くの門外漢なのですが、このアルバムを聴いていて感じたのはトラッドなハワイ音楽と琉球音楽(民謡)はどこか似ている気がしてなりません。「どこが?」と尋ねられても明快に答えられませんが、なんとなくそんな気がするんです。
きっとハワイも沖縄も綺麗な海に囲まれた1年中温暖な気候が、そこに暮らす人々の心や生活にゆとりを与え、そのゆとりが穏やかで心地良い音楽を生み出しているのかも知れませんね。
休日の昼下がり、このアルバムをBGMに昼寝するというのも贅沢な時間だと思うのですが、如何ですか?(笑)

作者:kaz-shin

更新日:2008年6月18日 0時5分

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WILL LEE_OH!


今回紹介するのは、ニューヨークを中心に活躍するトップ・セッション・ベーシスト、ウィル・リーが1994年にリリースした初のリーダー・アルバム『OH!』です。ウィル・リーは様々なセッションで活躍してきていますが、私が彼の名前を初めて知ったのは1970年代の終わり頃に日本でも人気の高かった24丁目バンドの一員としてでした。決して派手なプレイ・スタイルではありませんし、特に看板となる奏法を持っている訳ではありませんが、重厚でグルーヴ感を大切にしたベース・プレイは燻し銀とも言えるものだと思います。

70年代から常に一線で活躍していながら、しかもFUSIONブームの最中においても彼はリーダー作を出していませんでした。かなり誘いがあったようですが、断っていたらしいですね。そんなウィル・リーの初リーダー作となれば期待するなという方が無理です。しかもベース・プレイはもちろんですが、彼の素晴らしいヴォーカルが堪能出来るアルバムなんですから・・・。
単にベーシストのリーダー作ではなく、多くの人に楽しんでもらいたかったという思いもあったでしょうし、FUSIONが下火となっていた背景を考えるとこのようなスタイルになったというのは、ある意味当然だったのかも知れません。

ウィル・リーの素晴らしい歌声を初めて聴いたのは1980年頃、日本のCMでした。NEW YORKERS名義でリリースされたパイオニアのステレオ・コンポのCMソング「I Believe In Love (愛のサスペンス)」でヴォーカルを務めていたのがウィル・リーで、とても白人とは思えないほど黒っぽいヴォーカルに驚いたことを鮮明に覚えています。いつかじっくり彼の歌を聴いてみたいと思っていたので、このアルバムで念願が叶ったといったところです。

『WILL LEE / OH!』
01. MARYANNE
02. GEORGY PORGY
03. KISSING MY LOVE
04. I KNOW TOO MUCH (ABOUT SADNESS)
05. SHOW OF HANDS
06. BALLAD OF BILL AND GRETCHEN
07. DRIFTIN
08. I CAME TO PLAY
09. LONELY AVENUE
10. WHITE MAN
11. MY FUNNY VALENTINE

軽快なリズムと心地良いグルーヴが特徴のラヴ・ソング01。打ち込みによるループと生のドラムを組み合わせたリズムに乗せ、ウィル・リーの重厚なベースと溌剌としたヴォーカルが印象的です。

TOTOの名曲をカヴァーした02。洒落たアレンジとヴォーカルでオリジナルに勝るとも劣らない仕上がりになっています。クリス・パーカーの堅実なドラミング、ジョン・トロペイの渋いギター・ワーク、ロブ・マウンジーの繊細なエレピに加え、ウィルの素晴らしいベース・ソロも聴けます。AORど真ん中ストライクといった感じの1曲。

ビル・ウィザースの古い曲のカヴァーだという03。ノリの良い曲で弾けた感じのウィルのヴォーカルが印象的です。演奏自体はシンプルな構成で、スティーヴ・ガッドのドラム、FUNKYなフェリシア・コリンズのギターが冴えた曲です。

美しいメロディー・ラインを持ったバラード・ナンバー04。ジェフ・ミノロフ(g)、ドン・グロルニック(key)、バシリ・ジョンソン(per)等が参加しています。ランディー・ブレッカーの哀愁の漂うフリューゲル・ホーン・ソロがたまらなく素敵です。

ニューヨーク・サウンドが炸裂する05。アレンジが凝っていますね。ウィル・リーのスラッピング・ベースとジェフ・ミロノフの職人技とも言えるギター・プレイがとにかく渋いですね。この曲でのヴォーカルなどは白人が歌っているとは到底思えないほど黒っぽいです。スティーヴ・ガッドのタイトなドラミングも聴き所です。

ブルース色の強いバラード・ナンバー06。堅実で重厚なウィルのフレットレス・ベースが耳に残ります。ギターのジェフ・ミノロフとミュート・トランペットのランディ・ブレッカーの渋いプレイが光っています。

ジミ・ヘンドリックスのカヴァー07。ウィルのフレットレスのピッコロ・ベースのソロも素晴らしいですが、ゲスト参加しているジェフ・ベックのギター・ソロも実に味わい深いです。情感豊かなウィルのヴォーカルも素晴らしいです。

ウィル自身、ベースを弾くのが楽しかった曲と語っている08。陽気で楽しい曲に仕上がっています。ウィルの言葉通り、彼のベース・プレイは本当に素晴らしいですよ。ミュージシャン達が各々プレイを楽しんでいるような雰囲気が伝わってきます。

レイ・チャールズのカヴァーだという09。オリジナルを知らないので比較は出来ないのですが、オリジナルとは違ったハーモニーとメロディーのフレーズを足しているようです。ブルースっぽい雰囲気にウィルの黒っぽいヴォーカルがよく似合っています。間奏で渋いギター・ソロを弾いているのはジョー・カロです。

都会的でJAZZYな雰囲気を持った10。白人を皮肉った歌ですが、切実な思いがウィルのヴォーカルに込められているようで、意味が分からずともその思いが伝わってくるようです。

スタンダードとしてお馴染みのナンバーで様々なカヴァー曲が存在する11。オリジナルとは雰囲気が全く違う都会的でグルーヴィー、全体的にはJAZZYな仕上がりになっています。旧友・ハイラム・ブロックが参加していますが、この曲のハイライトはウィル・リーの父上であるビル・リーのピアノ・ソロかも知れません(笑)

ウィル・リーのソロ・アルバムとなれば、FUSIONが好きな方は当然注目するでしょうが、私としてはぜひAOR好きな人にも聴いて欲しいアルバムです。02辺りを聴けばAOR好きな人も納得頂けると思いますし、バラエティに富んだ内容で純粋に楽しんで聴ける1枚です。
素晴らしい演奏技術を持ったミュージシャンで歌が上手いという人は少なくありません。しかし、私の印象ではその多くは黒人系ミュージシャンで、白人系のミュージシャンは少ないですね。そんな白人系ミュージシャンの中でウィル・リーは群を抜いている気がします。もちろんベースも随所で素晴らしいプレイが聴けますから、まさに一粒で2度おいしいアルバムと言えると思います(笑)

作者:kaz-shin

更新日:2008年6月16日 0時1分

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